【戦略コンサル対策】ケース例題34:サバンナ・コインランドリー_買収後の事業戦略

【結論】買収後の事業戦略についての回答例がわかる。

ケース例題34:あなたは最近、ジョージア州サバンナ市にあるコインランドリーを買収した。このコインランドリーは20年前に操業を開始し、昨年は少額の赤字を計上している。あなたなら、買収後の事業戦略をどのように立てるだろうか?

 

 

【ケース回答例

 

 このコインランドリーは、過去に利益を計上していたのでしょうか?

 

ーはい。しかし、この5年間は業績が低迷する傾向にあります。

 

 これは、どのような原因によるものでしょうか?

 

ーあなた自身はどう思いますか?

 

 前のオーナーが問題点を見過ごしていたのではないでしょうか。例えば、洗濯機や乾燥機老朽化して故障する頻度多かったり、店舗が清潔に保てておらず、顧客が足を運びたくなるような場所ではなかったんだと思います。

 

ーほぼ、あなたが言った通りです。

 

 コインランドリーは、どのような場所に立地しているのですか?

 

ー郊外のショッピングモール内です。モールの中には、このコインランドリーのほかに、酒屋、ディスカウント用品店、スポーツバー、不動産屋、銀行が店舗を構えています。

 

 モール内の他の店舗も、コインランドリーと同様に経営状況が悪化しているのでしょうか?

 

ーいいえ。あと、先ほど言い忘れましたが、モールからそう遠くないところに、サバンナ美術大学があります。

 

 私はこのコインランドリーを買収する前に、デューデリジェンスをきちんと行っており、この事業で利益を生み十分な顧客が存在することが確認できていると言う仮定をおいてよろしいでしょうか。

 

ーはい。そのような仮定をおいていただき結構です。

 

 私であれば、まずは機械を一つ一つ検査して、それぞれの使用年数と生の状態を調べます。次に銀行へ行き、店舗を修復するための資金を借り入れ、交換が必要な機械はすぐに取り替えます。店舗内は隅々まできれいに清掃し、壁を塗装し直し、新しいカーペットを敷きます。椅子は座り心地が良いものにこだわり、壁掛け式のテレビとDVD プレーヤー設置します。一言で言えば、我々の店舗を顧客が喜んで足を運び、つい長居してしまうような場所にする必要があると思います。

 

ーなぜ、顧客に長居してもらう必要があるのでしょうか?

 

 顧客が来店したときに、すべての機械が使用中であれば、機械が開くまで待たなければなりません。洗濯物を機械にかけたまま、一度店の外に出てしまうような顧客は、しばしば他の客を待たせることになり、ひいてはコインランドリーにとって、収益機会と顧客の喪失につながってしまいます。

 

ーしかし、私の場合は違いましたよ。私が大学と大学院に通っていた頃は、コインランドリーの中で待ったことなど1度もありませんでした。仮に洗濯機を使用している客が時間になって戻って来なかったら、洗濯物を機械の外に出して、自分が使用すれば良いだけだと思います。まぁ良いでしょう。続けてください。

 

 機械の使用料以外からも収益を得るために、店舗内に自動販売機を設置して、洗剤、洗濯用品、菓子類、飲み物などを販売します。また、顧客が洗濯物を預けて、帰りに洗濯された衣類を取りに来るようなサービスも始めたいと思います。これは洗濯物の重量に応じた価格設定となるでしょう。

 

ーあなたは、店舗内で働く従業員を雇うつもりですか?

 

 はい。ただし、福利厚生のコストを節約するために、正社員ではなくパートタイマーを雇うつもりです。

 

 次に、我々の主要顧客層を考える必要があります。顧客の大半は、小さな子供がいる母親、学生、独身で働いている人といったところでしょうか? 

 

ーそうですね。

 

 日中に店舗を訪れるのは、母親と小さな子供が中心になると思います。子供様には、店舗内に絵本、ブロックのおもちゃ、子供向けのDVDとテレビを置きます。母親のグループに対しては、ある一定の日に皆が店舗に集まるような企画を考えたいと思います。例えば、毎週火曜日と金曜日にメロドラマを放送するといったようなものです。また、コーヒースタンドの設置や、雑誌の販売、インターネット利用といったサービスを提供することも考えられます。

 サバンナ美術大学の学生に対しては、彼らの作品を店舗内に展示したり、販売したりするサービスが考えられます。また、音楽科の学生と交渉して、一定の時間帯にギターやピアノを演奏してもらう代わりに、彼らの洗濯を無料で行うといったことも可能でしょう。

 顧客ロイヤルティ・プログラムの提供や、プリペイド・カードの導入によって、顧客が常に小銭を持ち歩く必要がないようにすることも検討すべきです。

 モール内のスポーツバーと提携することも面白いでしょう。顧客が洗濯物を出した後、スポーツバーで試合観戦をしてから、家に帰る途中で衣類を取りに来るといったサービスを提供します。

 

ーと言う事は、店舗夜遅くまで開くのでしょうか?

 

 我々の主な顧客層を考えれば、それは避けられないでしょう。また、顧客がクリーニング屋に出す衣類の集配スポットとして我々の店舗を活用し、さらなる追加収入を得ることができないかを調べます。そして、すべての準備が整った段階で、新規開店を盛大にアピールするためのマーケティングキャンペーンを展開します。開店セレモニーには地元メディア関係者を招待して、新しい形態のコインランドリーと言う売り文句を掲げたいと思います。

 

ー良いでしょう。あなたは結論をまとめてください。

 

 まずは機械の状況を徹底的に検査した後で、店舗の開始を行います。また収入源はできるだけ増やすと同時に、無駄なコストがないかを調べ、各顧客層のニーズに合った創造的なサービスを提供し、顧客サービスの向上に努めます。

 

 

 

 

 

 

以上、回答例になります。

今回は、戦略全般、ターンアラウンド・シナリオ、M&Aシナリオでした。

 

それでは。

 

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引用・編集:『戦略コンサルティングファームの面接試験 難関突破のための傾向と対策』

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