【結論】アイビー・ケース・システムのシナリオ3「M&A(合併・買収)」の4ステップの手順がわかる。
吾今回はアイビー・ケース・システムの「12つのシナリオ」のうちの3シナリオ目です。
(※ケース面接に効果的なシステムであるアイビー・ケース・システムの概要についてはこちらを参照下さい。)
「M&A(合併・買収)」のケースについて一緒に学習していきましょう。
シナリオ3:「M&A(合併・買収)」
例題:米国の最王手アイスクリーム・メーカーの一つであるベン&ジェリーは、クリームチーズを製造する中規模メーカーの買収を積極的に進めている。この買収戦略は、理にかなったものだろうか?またベン&ジェリーは、買収を進めるにあたって、どのようなことを考慮しなければならないだろうか?
上記のようなケースは「M&A(合併・買収)」に当てはまります。
「M&A(合併・買収)」のシナリオに当てはまるケースの場合、下記4ステップに従って進めていきましょう。
【STEP1】M&Aを行う目的と達成したい目標を確認する。
【STEP2】買収コストに関する分析を行う。
【STEP3】デューデリジェンス関連項目をチェックして、買収対象となる企業と業界全体の状況を分析する。
【STEP4】出口戦略(売却または撤退)に関する分析を行う。
次に、各ステップの確認事項の詳細を確認していきましょう。
下記箇条書きの観点から、各ステップごとに分析及び意思決定していきます。
【STEP1】M&Aを行う目的と達成したい目標を確認する。
- クライアントはなぜを行うのか?
- 目的・目標を達成するには、買収が最善の方法なのだろうか?
- 他にもっと良い方法はないのか?
(参考観点:企業がM&Aを行う主な目的は下記)
- 営業基盤を強化する(ブランドの強化、マーケットシェアの拡大など)
- 事業の多角化などによってリスクを分散する
- 競合相手を自社に取り込んでしまうことによって’競争の激化を避ける
- 税務上のメリットを得る
- シナジー効果を発揮する(生産コストや財務コストの削減、販売網の強化、企業文化の融合など)
【STEP2】買収コストに関する分析を行う。
- 買収価格は妥当か?払い過ぎていないか?(特に景気が良い場合には、買収価格も高くなる傾向がある。)
- 買収資金はどのように調達するのか?(自己資金、銀行借入金、株式発行など)
- 自社の財務内容的に問題がないか?(自社の資産規模に比べて買収金額が非常に大きいなど)
- 無理な借り入れを行っていないか?金利が上昇したり、景気が落ち込んだ場合でも返済可能か?
【STEP3】デューデリジェンス関連項目をチェックして、買収対象となる企業と業界全体の状況を分析する。
- 買収先の株主構成はどうなっているか?
- 買収先のマーケットシェアと顧客層は安定的か?
- 業界全体のトレンドは?(成長しているか、横ばい状態か、衰退しているかなど)
- 買収先の業績は、業界全体としてのトレンドと比較してどうなっているか?買収先の業界におけるポジションは?
- 買収先の売上高と利益率は?
- われわれが買収を実行した場合、業界内の競合企業はどのような反応を示すと予想されるか?
- われわれが買収を実行できない、または、買収すべきでない法律上の理由があるか?
【STEP4】出口戦略(売却または撤退)に関する分析を行う。
- われわれは、どのくらいの期間にわたって買収先の企業を保有するのか?(長期保有か?短期間で他社に売却して売却益を得ることが狙いか?)
- 買収後に会社分割を行い、その一部を売却する計画はあるか?
以上がシナリオ3「M&A(合併・買収)」のシナリオのケースです。
例題を見ながら、各ステップごとに復習がてら分析してみましょう。
それでは。
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引用・編集:『戦略コンサルティングファームの面接試験 難関突破のための傾向と対策』
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