【戦略コンサル対策】ケース例題7:レッドロケット・スポーツ社_現状分析と成長分野の選択

【結論】現状分析と成長分野の選択について回答例がわかる。

ケース例題7:レッドロケット・スポーツ社は、運動靴とスポーツアパレル用品の企画・販売を行う企業であり、数多くのブランドを展開している。彼らの製品は基本的に全て似たような製造プロセスで生産されており、また、流通チャネルや顧客層も共通している部分が多い。

以下の表を分析して、レッドロケット・スポーツ社のビジネスの現状と、彼らが今後どの分野に注力していくべきかについての意見を聞かせてほしい。私は30分後に戻ってくるので、それまでに自分の分析結果をまとめておくこと。

【ケース回答例

 

(30分後に面接官が戻ってくる。)

ーでは早速、あなたの分析結果を教えて下さい。

 

 私はまず、商品別、地域別に各年度の売上高の変化率をまとめてみました。これらの数字は暗算で求めてものですが、ほぼ正解だと思います。

 この表からは多くのことが推測され、それらをまとめると次の通りです。

  • 運動靴の売上高成長率は、ここ2年連続で10%と安定している。
  • アパレル用品の売上高成長率は、20%から10%へ低下しており、成長が鈍化している。
  • 米国は依然として突出して大きい市場であるが、売上高成長率は12%から2%へと大幅に低下している。
  • 英国市場の成長率は7%で安定している。
  • 欧州市場も英国同様、成長率は15%で安定している。
  • 最も有望な市場は「その他」の地域であり、おそらくアジア諸国や南米諸国が該当するのではないかと思います。これらの国に対する売上高は、2006年に20%、2007年は30%を上回る成長率を示しています。このままのペースでいけば、2008年には売上高が英国を上回るでしょう。将来の伸びが最も期待できるのは、この「その他」の地域の市場であることは間違いないと思います。
  • 成長率が鈍化してはいるものの、製品別ではアパレル用品の販売をテコ入れするべきであると考えます。
 
 次に、私は商品別、地域別に売上全体の何%を占めているかを調べました。

 

 

 

 

 

 

 

この表からわかることは、以下の通りです。

  • 運動靴の売上高は全体の約2/3を占めており、この比率はここ3年間変わっていない。
  • 米国は群を抜いて最大の市場であり、全体の半分以上を占めているが、その比率は徐々に低下している。
  • 英国市場向けの売上比率も15%から12%へと低下傾向にある。
  • 欧州市場向けの売上比率は20%で安定している。
  • 「その他」地域の市場向けの売上比率が上昇しており、2007年は全体の11%を占めている。

 

 要約すると、レッドロケットの伝説的な市場である米国と英国が飽和状態にある一方で、「その他」地域の市場が占める割合が増加していることがわかります。しかしながら、これらの伝統的な市場は、依然として全体の2/3以上と売上高の大部分を占めていることも事実です。製品別では、2007年の成長率低下したものの、アパレル用品が売上全体の伸びを家人してきた図式がうかがえます。

 

 

ーなぜ、そう言えるのですか?ああなたがアパレル用品にそれほどの自信を見いだせる根拠はどこにあるのですか?

 

 

 私たちは、売上高に占める割合だけではなく、数字そのものを見る必要があります、2005年から2007年にかけて、全体の売上高は3100000ドルから3785300ドルへと685300ドル増加しています。確かに、売上全体に占めるアパレル用品の売上比率は35%に過ぎませんが、全体の売上増加のうち約半分はアパレル用品によってもたらされたものです。

 

 

ーわかりました。では、レッドロケット・スポーツはどのようにすれば良いのでしょうか?

 

 

 私が提案するのは以下の3つのアクションです。

 

 

アクション1:高い成長率が見込まれる地域、特に「その他」の市場に注力して、以下を実施する。

  • 商品ラインを拡大する(特にアパレル用品)
  • 流通チャネルを拡大する
  • 営業力を強化する
  • 大規模なマーケティング・キャンペーンを展開する
 

 

アクション2:伝統的な市場での売上を死守するために、以下を実施する。

 

  • 飽和状態の市場でも売上高を伸ばせるように、マーケティング・キャンペーンを展開する。
  • 業績が良い流通チャネルや店舗に絞って、集中的に経営資源を投下する。

 

 

アクション3:市場のトレンドを調べ、将来的に起こるであろう変化を予測するために、以下を実施する。

 

  • 業界アナリストにインタビューを行い、将来のトレンドに関する意見を聞く。
  • 専門家の見解や情報に基づく製品戦略と地域戦略を練る。
 これらの提案は、2 × 2のマトリックスを使って簡単に図式化できます。

 

 

以上、回答例となります。

今回は、ケースのタイプ的には、ナンバー・ケース、成長戦略シナリオでした。

 

それでは。

 

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引用・編集:『戦略コンサルティングファームの面接試験 難関突破のための傾向と対策』

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