【戦略コンサル対策】ケース例題32:ブルームス社_カスタマーサービスの改善

【結論】カスタマーサービスの改善についての回答例がわかる。

ケース例題32:ブルームズ社は、980億ドル相当の資産を運用している大手金融機関であり、20種類の投資信託口座と、証券仲介を営む会社を1社保有している。現在、ブルームズの顧客は、自分が投資している信託口座や、利用している証券仲介サービスについて、個別の明細通知をバラバラに受け取っている。つまり、ある顧客が4種類の信託口座に投資し、証券仲介サービスにも口座を開設していれば、この顧客は毎回5枚の明細通知を受け取る上に、重複したDMが送付されることも頻繁に起きている。

 ブルームースにとってもう一つ問題となっているのは、カスタマーサービスのオペレーターが、電話口の相手が合計でどれだけの金融資産をブルムースで運用しているかと言う情報にアクセスできないことである。例えば、ある顧客は1つの信託口座に1,000,000ドルを投資している一方で、別の信託口座には2500ドルしか投資していないと言うことも10分考えられるが、現在の状況では、オペレーターが自社に1,000,000ドル以上も投資してくれている重要顧客を、2500ドルしか投資してない小口顧客と同等に扱ってしまう恐れがある。

 重要顧客である大口顧客が、それにふさわしいカスタマーサービスを確実に受けられるようにするためには、どうすれば良いだろうか?

 

 

【ケース回答例

 

 問題の内容を確認させてください。大手金融機関のブルームズ社が、自社の重要顧客である大口投資家に対するカスタマサービスの向上を図りたいと言う事ですね?

 

ーはい。

 

 大口投資家に対して、重要顧客にふさわしいサービスを確実に提供すること以外に、私が頭に入れておくべき目的はありますか?

 

ーコストはできるだけ低く抑えたいと思っています。

 

 競合他社も、ブルムースと同様の問題を抱えているのでしょうか?

 

ー競合他社が行っている事との比較も可能ですが、この問題では他社の真似をするのではなく、独自の解決方法を考えてほしいと思います。

 

 分りました。この問題のポイントは、大口顧客に対するサービス向上をできる限りコスト効率よく行う方法を考えなければならないと言う事ですね。

 

ーその通りです。

 

 ブルムースは上場企業でしょうか?

 

ーいいえ、非上場企業です。

 

 私であれば、まずは改善の余地があるシステム技術への投資を行います。ブルムースは非上場企業なので、投資を行った結果たとえ損失が発生したとしても、一般投資家からうるさく言われることもありません。システム技術の改善によって、現在は顧客が利用しているサービス別に分かれてしまっている口座を1つのマスター口座にまとめて、明細通知の送付やカスタマーサービスの提供は、このマスター口座1本で管理するようにします。このようにすれば、顧客は自分の運用資産を1通の明細通知で全て把握できるようになりますし、ブルムース側としても、今までは5通必要だった明細通知の作成と送付が1通分で済み、コスト削減につながるでしょう。

 ブルムースの顧客数と、顧客あたりの平均口座開設はどれくらいですか?

 

ー顧客数は1,000,000人で、顧客あたりの平均口座開設は2口座です。

 

 と言う事は、1階の輸送につき、少なくとも1,000,000人× 1口座= 1,000,000通の明細通知が削減でき、明細通知は毎月1回送付されているとすれば、年間で12,000,000通分のコストと切手代が節約されます。また、カスタマーサービスのオペレーターが相手側のまとまった情報にアクセスできるようにすることも非常に重要です。これによって、オペレーターは大口投資家に対して重要顧客向けの対応をとることができますし、各顧客に合わせた質の高いサービスを提供することが可能となります。

 

ー他には何かありますか?

 

 はい。顧客を重要度に応じてグループ分けして、例えばプラチナ会員、ゴールド会員、シルバー会員、ブロンズ会員などに分類することを考えます。そして、プラチナ会員に対しては、通話無料で専用オペレーターがいつでもワンコールで応答するような体制を整備します。ちなみに、プラチナ会員に相当する顧客数はどれぐらいになると予想されますか?

 

ーそれは各グループをどう分類するかによりますが、ここでは、上位5%の顧客が、ブルームースの売り上げの95%を占めていると言っておきましょう。

 

 と言う事は、1,000,000人の顧客の5%ですから、50,000人と言う計算になりますね。私が推測するに、顧客が電話をかけてくる理由で最も多いのは、株式売買の注文、クレーム、口座情報に関する問い合わせの3つだと思います。現在は、同じオペレーターがこれら全てに対応しているのでしょうか?

 

ーはい。

 

 オペレーターの役割を分けた方が良いと思います。具体的には、電話回線を2つに分けて、1つは株式売買取引専用の回線にします。今のままでは、本来売買取引の仲介業務に専念すべきトレーダーが、顧客からのクレーム処理に時間を割かれてしまっており、ブルーム子はトレーダーに無駄な給料を支払っている状態となっています。例えば、クレーム処理専門のオペレーターを新規採用すると言う考えもあるでしょう。

 また、顧客が自分の口座情報をオンラインで閲覧できるような仕組みを作ることも重要です。これによって、サービスの改善が図れると同時に、顧客からの電話の数が減り、コスト削減につながります。

 さらに、もしブルーム子がオンライントレードのサービスをまだ提供していないのであれば、これも顧客のニーズを満たすことになるでしょう。あるビジネス誌で、オンライントレードに係るコストは電話での注文にかかるコストの約10分の1で済むと言う記事を読んだ覚えがあります。明細通知の送付についても、郵便配達だけではなく、Eメールでの送信と言うオプションを導入することも検討すべきです。

 

ー良いでしょう。あなたのアドバイスをまとめてくれますか?

 

 はい。まずはシステム技術への投資を行うことによって、今までは口座別にバラバラだった明細通知を1つのまとまった文書で顧客に送付したり、カスタマーサービスのオペレーターが電話口の相手の口座情報を全て把握できるようにします。また、顧客を重要度に応じてグループ分けし、上位5%の顧客に対しては、専用の無料電話回線を提供し、いつでも迅速なサービスを受けることができるようにします。

 コストの削減については、今まで重複していた明細通知や広告宣伝用のDMの送付枚数が減ることによって、関連費用が節約できます。また、顧客からのクレーム処理を専門に担当するオペレーターを新規採用することで、証券仲介トレーダーが本業に専念できるようになり、これも無駄なコストの削減につながります。さらに、インターネットを活用して顧客の多様なニーズを満たすことができれば、ブルムースのコスト削減に寄与すると同時に、顧客に提供するサービスの質を向上させることも実現可能です。

 

ー大変よくできました。

 

 

以上、回答例になります。

今回は、コスト削減シナリオでした。

 

それでは。

 

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引用・編集:『戦略コンサルティングファームの面接試験 難関突破のための傾向と対策』

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