【結論】半永久的に切れない電球の価格設定についての回答例がわかる。
ケース例題28:GEが半永久的に切れない電気を開発した。この電球は、光の強度が弱まることも一切なく、500年以上にわたって使用できると言うものである。ある日、GEの営業担当役員があなたを読んで、この電球を最終消費者にいくらで販売すれば良いだろうか?と聞いてきた。あなたなら、どのようなアドバイスを与えるだろうか?
【ケース回答例】
問題の内容確認させてください。GEが半永久的に消えない電気を開発して、この電球を最終消費者にいくらで販売するべきかについて、私たちにアドバイスを求めていると言う事ですね?
ーその通りです。
電球の販売価格を決めること以外に、私が頭に入れておくべきやクライアントの目的はありますか?
ーいいえ、価格の設定が唯一の目的です。
この電球と競合する製品はありますか?また、GEはこの製品に対して特許を取得していますか?
ーGEに匹敵する耐用年数を持つ製品はありません。特許は現在申請中です。
この電球の長所は半永久的に切れないと言う事ですが、日本で決定はありますか?使用する電気量は、通常の電球と同じでしょうか?
ーこれといった欠点はありませんが、強いて言えば販売価格でしょう。だからこそ、GEは我々にアドバイスを求めているのです。
GEは、この製品の研究開発費(R&D)にいくらかけたのでしょうか?
ーR&Dには20,000,000ドルを費やしました。
通常の電球の製造コストはどれくらいですか?
ー電球1個あたり5セントです。GEはこれを卸売業者25セントで販売し、卸売業者は小売店に50セントで、小売店は最終消費者に75セントで販売しています。
新しい電球の製造コストはどれくらいですか?
ー1個あたり5ドルです。
と言う事は、通常の電球と同様のマージンを得ようと思えば、この新しい電球の商品価格は75ドルになります。次に、通常の電球の寿命が1年間であり、消費者が電球を使用する期間を50年と仮定すれば、松下は合計で37.5ドルのコストを支払うことになります。したがって、GE松下が50年間全く切れることのない電球に37.5ドルを支払う意思があるかどうかを自問自答する必要があります。ここで私たちが考えているのは、価値ベースの価格設定です。つまり顧客はこの新しい電気に対していくらまでなら支払う意思があるか?そして、その価格はGEのコストを十分に補い、大きな利益をもたらしてくれるか?と言うことを検討しなければなりません。
これとは別に、私たちが考えなければならないのは、この新しい電球が売れれば売れるほど、GEの利益は将来先細りしてしまうと言うことです。新しい電球が1つ売れることは、将来における通常の電球約50個分の売り上げが失われることを意味します。つまり、カニバリゼーションの問題が生じると言うことです。したがって、私たちは、新しい電球から得られる利益が、通常の電球の販売によって将来にわたって得られるであろう利益を十分に大きな金額であるかどうかを確認しなければなりません。
ー良い指摘ですね。
率直に申し上げて、私はこの新しい電球を個人消費者向けに販売すべきではないと思います。というのも、個人消費者は75ドルもの金額を電球に支払うつもりはないでしょうし、消費者価格を37.5ドルにすれば、今度はGEが十分な利益を上げられないといった具合に、この電球を妥当な価格で販売することは不可能だと思います。
ーだとすれば、GEはどうしたら良いのでしょうか?この計画を白紙撤回すると言うことですか?彼らはすでに、R&Dに20,000,000ドルも投じていいのですよ。
いえ、私はこの電気を全く無駄にすると言っているのではありません。GEは、この電球をB to Cの個人消費者向けではなく、B to Bの産業需要家向けに販売すれば良いと思います。例えば、ケンブリッジ市には約2000個の街灯があります。おそらく、これらの電球には1個あたり約20ドルの製造コストがかかっており、さらに半年ごとの電球交換が必要です。しかしながら、本当にポストがかかっているのは電球そのものの製造コストではなく、それに付随する様々な労働コストです。例えば、電球を交換するには最低でも2人の作業員が必要でしょうし、作業用の専用車も駆り出さなければなりません。このほか、関連するあらゆる労働コストを考えると、市は1回の電球交換につき、電球1個あたり100ドル位の労働コストを支払っていると思われます。ここで、GEが交換作業を要しない新しい電球を400ドルで販売すれば、次は2年以内で元が取れる計算になりますし、GE自身も十分な利益を上げることができるでしょう。
ー悪くない意見ですね。
以上、回答例になります。
今回は、価格戦略シナリオでした。
それでは。
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引用・編集:『戦略コンサルティングファームの面接試験 難関突破のための傾向と対策』
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