【戦略コンサル対策】ケース例題22:ヘクター・ハード・レムラムメード_ライバル企業の動きへの対抗策

【結論】ライバル企業の動きへの対抗策についての回答例がわかる。

ケース例題22:我々のクライアントであるヘクター・ハード・レムラムメード社(以下ヘクター)は、プエルトリコに本拠を置くメーカーであり、ラム、レモネード、炭酸水を原料とする低アルコール炭酸飲料を製造・販売している。

 ヘクターの最大の競合は、マイク・ハード・レモネード社(以下マイク)である。マイクは体を拠点とする大手メーカーであり、ワインアルコール炭酸飲料の製造・販売を行っているほか、カナダ国内におけるコロナ・ビールの販売代理店となっている。

  マイクの製品は麦芽(モルト)を原料としており、米国内の低アルコール炭酸飲料市場で60%のシェアを占めている。ヘクターのシェアは20%であり、残りの20%は複数の米国企業で細分化されている。ヘクターの売上高は年間10%で成長しており、これは市場全体の成長率とほぼ一致している。麦芽を原料とする製品と、ラムを原料とする製品では味覚に大きな差が生じるため、マイクとヘクターは互いに一定の成長率を維持することができたと考えられている。

 つい最近、ヘクターはマイクがラムを原料とする低アルコール・レモネードの製造を回避して、自社と完全に競合するようになるとの情報を仕入れた。さらに、マイクは通常のレモネードに加えて、クランベリー風味とりんご風味の2種類のレモネードもかけて、この市場に参入してくるとの情報もある。

 ヘクターは、自らもマイクに対抗して、クランベリー風味とりんご風味の2種類の低アルコール・レモネードを作るべきかどうかを検討している。あなたならどのようなアドバイスを与えるだろうか?

 

【ケース回答例

 問題の内容を確認させてください。クライアントであるヘクターは、米国の低アルコール炭酸飲料市場で20%の株を持っているが、最大の競合であるマイクの60%には投稿呼ばない状態となっている。これまでは、ヘクターの製品の原料はラム、マイクの原料は麦芽と異なっていたが、マイクはラムを原料とする低アルコール・レモネードの製造を開始して、ヘクターと直接競合するようになり、しかも、3種類の風味をかけて参入する計画を立てていると言う事ですね。

 

ーその通りです。

 

 マイクの動きに対して、ヘクターがどのように対抗するかを決めること以外に、私が頭に入れておかなければならない目的はありますか?

 

ーできるだけ多くの利益を得ることです。

 

 ヘクターの売り上げ成長率と、市場全体の成長率はともに年間10%伸びてきたとの事ですが、仮にヘクターが現状のまま何もしないとしても、年間10%は成長し続けるのでしょうか?

 

ーいいえ。ヘクターが何もしない場合には、ヘクターの販売数量は12%減少します。

 

 ヘクターは、年間何ケースの商品を販売してるのでしょうか?

 

ー44,000ケースです。

 

 もしヘクターがマイクと同様に2種類の新商品(クランベリー風味とりんご風味)を導入する場合、販売数量はどうなりますか?

 

ー彼らが2種類の商品を追加したとしても、販売数量の合計は44,000ケースで変わらず、これを3種類の商品で分け合うような形になります。

 

 ネクターのレモネード1ケースあたりの製造コストと、利益はそれぞれいくらですか?

 

ー1ケースあたりの製造コストは5ドル、利益は10ドルです。

 

 マーケティングコストや、流通コストはどれくらいでしょうか?

 

 

 

ーそれらのコストは、この問題では考えなくて結構です。

 

 2種類の新商品を製造する場合、追加でかかるコストはありますか?

 

ーそれぞれの新商品には最低5000ケース分製造する必要があり、新しい生産設備の導入10,000ドル、ボトルラベル張り替えに1本あたり0.02ドルが、各製品に対してかかります。

 

 ここまでのところを整理させてください。もしヘクターが何もしなければ、販売数量は12%減少します。現在の販売数量は44,000ケースで、10%は4400ケース、2%は880ケースですから、合計5280ケースをひいて、練習後の販売数量は、44,000 − 5280 = 38,720ケースとなります。

 

ーおっしゃる通りです。

 

 もしヘクターが、マイクと同様の新製品2種類を導入すれば、販売数量は44,000ケースで変わらない反面、新しい生産設備に2万ドルと、ラベルの張り替えにボトル1本あたり0.02ドルのコストが追加でかかります。1ケースあたりのボトルの本数はいくつですか?

 

ー24本です。

 

 まずは、新製品の製造本数を最低限の数字として計算してみましょう。10,000ケース(5000ケース× 2)に24本をかけると240,000本となり、これに1本あたり0.02ドルをかけると、4800ドルになるので、生産設備のコストと合わせて、ヘクターには24,800ドルの追加コストが生じます。

 

 現在、ヘクターは44,000ケースの製品を製造して、それをすべて販売しています。1ケースあたりのコストが5ドル、利益が10ドルですから、総コストは220,000ドル、利益が440,000ドルとなり、売上高は660,000ドル(220,000 +440,000)です。ここで、もしヘクターが新製品の製造・販売を開始したとすると、売上高は変わらず、コストが24,800ドル増えるので、利益は440,000 − 24,800 = 415200ドルになります。

 ここで質問があるのですが、ヘクターは必ず年間44,000ケース分を製造しなければならないのでしょうか?仮に彼らの販売数量が12%落ち込んだ場合は、38,720ケースとなりますが、このような端数が出る場合には、ヘクターの製造数量はどうなるのでしょうか?

 

ー1000本単位で、最も売れ残りが少ない数量を製造することとなります。

 

 クライアントの目的の1つには、利益を最大化することもありますが、仮に上げをするとしたら、どうなることが予想されますか?

 

ー良い質問です。もしヘクターがボトル1本あたりの販売価格を0.05ドル、つまり、1ケースあたりの販売価格を1.20ドル値上げして、新製品を導入しなければ、販売数量は20%減少します。もし同様の値上げを行う一方で、新製品を導入すれば、販売数量の減少10%になります。

 

 ヘクターには4つの事のシナリオが考えられると言う事ですね。少し時間をいただいて、各シナリオでどうなるかを表にまとめたいと思うのですが。

 

ー良いアイディアだと思います。

 

(以下の表を作成する)

 

 この表からわかるように、ヘクターにとって最大の選択肢は、値上げを行うと同時に新製品も導入すると言うことになります。

 

ー最後に、値上げと新製品の導入以外に、ヘクターが売上高を伸ばす方法として考えられるものを4つ簡潔にあげていただけますか?

 

 流通チャネルを拡大する、既存の企業を買収する、低アルコール炭酸飲料以外の事業分野の多角化を図る、大々的なバイキングキャンペーンを理解する、といった方法が考えられます。

 

ー結構です。ありがとうございます。

 

 

以上、回答例になります。

今回は、ケースのタイプ的には、新規市場参入シナリオでした。

 

それでは。

 

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引用・編集:『戦略コンサルティングファームの面接試験 難関突破のための傾向と対策』

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