【戦略コンサル対策】ケース例題15:スノー・シャベル社_最適な注文本数の決定

【結論】最適な注文本数の決定についての回答例がわかる。

ケース例題15:スノー・シャベル社は、除雪用のシャベルを輸入販売している企業である。除雪用のシャベルの需要規模は、その年の天候によって決まると言うことになっている。スノー・シャベル社は、実際にシャベルを購入する4ヶ月前の時点で、仕入先に発注書を出さなければならない。彼らは何本のシャベルを注文するべきだろうか?

 

【ケース回答例

 

 問題の内容を確認させてください。スノー・シャベル社は、除雪用しゃべるの輸入販売を行っているが、実際にシャベルを購入する4ヶ月前の時点で注文を入れなければならないため、何本のシャベルを注文すべきかについて、我々のアドバイスを求めていると言う事ですね?

 

ーその通りです。

 

シャベルの注文本数を決めること以外に、私が頭に入れておかなければならないクライアントの目的はありますか?

 

ーあります。クライアントの目的は、赤字になるリスクと手持ちの在庫を最小限に抑えつつ、キャッシュフローを最大化することです。

 

クライアントは、国内のどの地域をカバーしているのですか?

 

ー北海道だけです。

 

 

北海道以外の地域に進出すると言う考えは無いのですか?

 

ーそれはありません。クライアントは、あくまで道内での事業に絞りたいと思っています。

 

それでは、クライアントは道内における流通チャネルを増やすことによって、利益を伸ばすことができます。クライアントは、現在どれだけの流通チャンネルを確保しているのでしょうか?

 

ー良い質問ですが、このケースで私が求めていることとは関係ありません。

 

昨年は、何本のシャベルを注文したのでしょうか?

 

ー2000本です。

 

昨年の天候は、どのような感じでしたか?

 

ー例年よりも寒く、積雪量も多い年でした。

 

昨年において、その前年度から持ち越しになっていた在庫ありましたか?

 

ーはい。前年度から繰越在庫が500本ありました。

 

クライアントは、昨年2500本のシャベルを全て販売したのでしょうか?

 

ーはい。

 

 という事は、現時点で手持ちの在庫はないと言う事ですね?

 

ーその通りです。スノー・シャベル社は、極力手持ちの在庫を持たないようにしています。

 

 クライアントには、もっと多くのシャベルを販売するチャンスがあったのでしょうか?例え ば顧客から注文が来たにもかかわらず、在庫がなかったためにそれに対応できなかったと言うことがありましたか?

 

ーはい、実際にそのようなことがありました。一般的に、寒さが厳しい冬の場合には3000本のシャベルが売れる一方で、それほど寒さが厳しくない穏やかな冬の場合には需要は1000本まで落ち込みます。

 

 今年の冬は、どのような天候になると予想されていますか?

ー寒さが厳しい冬になる確率が40%、穏やかになる確率は60%予想になっています。

 分りました。ここまでのポイントを簡単にまとめさせてください。3000本のシャベルが売れる厳しい冬になる確率は40%、1000本のシャベルが売れる穏やかな冬になる確率が60%です。そして、スノー・シャベル社は、極力手持ちの在庫を持たないと言う経営方針を持っています。クライアントは、シャベルをいくらで仕入れて、いくらで販売しているのですか?

 

 

 

ー仕入れ価格は1000円、販売価格は2000円です。

 

と言う事は、シャベル1本あたりの利益は1000円ですね。また、3000本のシャベルが売れる確率が40%で、1000本のシャベルが売れる確率が60%ですから、スノー・シャベル社が発注するべきシャベルの本数は、期待値を計算して、(3000本× 40%) + (1000本× 60%) = 1800本になります。

 

ーそれで終わりですか?それがあなたの答えですか?なぜ、全員答えが1800本となるでしょう。私は今日このケースを5回出題していますが、5人全員が1800本と答えています。私があなたに与えた情報をよく考えてください。クライアントの目的は、どういうことでしたか?

 

 クライアントの目的は、リスクを最小限に抑えつつ、キャッシュフローを最大化することでした。シャベルの本数ではなくて、クライアントがいるキャッシュフローの期待値を求めてみましょう。仮に、クライアントが1000本のシャベルを注文した場合、冬の天候がどうなろうと、1000本のシャベルは全て完売できると考えられます。この時、クライアントが得るキャッシュフローの期待値は、以下の表の通り、1,000,000円になります。

 

 次に、クライアントが2000本のシャベルを注文した場合、1000本のシャベルしか売れない穏やかな冬になる確率が60%、2000本のシャベルが完売する寒い冬になる確率が40%ですから、キャッシュフローの期待値は、800,000になります。

 

 最後に、クライアントが3,000本のシャベルを注文した場合、1,000本のシャベルしか売れない穏やかな冬になる確率が60%、3000本のシャベルが完売する寒い冬になる確率が40%ですから、キャッシュフローの期待値は、600,000円になります。

 

 以上の計算結果と、クライアントが赤字や在庫のリスクを極力避けると言う方針を持っていることから判断すると、クライアントが発注すべきシャベルの本数は1000本であると言う結論になります。この時、クライアントは1,000,000円のキャッシュフローを確実に得ることができます。一方で、もしクライアントが3000本のシャベルを発注した場合は、3,000,000円のキャッシュフローを得る確率は40%しかなく600,000円の赤字になる確率は60%となってしまいます。

 

ーグラフで表すことはできますか?

 

 

 もちろんです。グラフは次のようになります。

 

 

 

ーナイスリカバリーですね。

 

 

 

 

 

以上、回答例となります。

今回は、ケースのタイプ的には、ナンパ・ケースでした。

 

 

それでは。

 

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引用・編集:『戦略コンサルティングファームの面接試験 難関突破のための傾向と対策』

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