【戦略コンサル対策】ケース例題14:携帯電話会社の悩み_契約人数減少と利益増加の原因究明

【結論】契約人数減少と利益増加の原因究明についての回答例がわかる。

ケース例題14:我々のクライアントは、業界3位のシェアを占めている日本の携帯電話外車である。彼らは最近四半期(3ヶ月)で利益を35%伸ばしたが、その一方で既存の契約済者数は大幅に減少してしまった。一体、何が起きているのだろうか?

 

【ケース回答例

 

問題の内容を確認させてください。クライアントは四半期の利益を35%伸ばした一方で、既存の契約者数が減少してしまっており、その原因究明を我々に求めていると言う事ですね。

 

ーはい。

 

 この四半期で、クライアントの契約者数は何人減ったのでしょうか?

 

ー次の図を見てください。クライアントの契約者数は全部で30,000,000人ですが、この四半期でクライアントは2.5%、つまり750,000人の顧客を失いました。

 四半期で2.5%と言う事は、年率に換算すると10%の減少に相当すると言う事ですね。

 

ーその通りです。

 

 既存の契約者数が大幅に減少している原因を突き止めることのほかに、私が留意しておかなければならない目的はありますか?

 

ーいいえ、ありません。

 

 

 

 まず、業界全体の状況について分析します。クライアントの競合であるA社とB社も同様に年間契約者数を減らしているのでしょうか?

 

 

ーはい。しかし、クライアントと比べると、減少の数はそれほど大きくありません。過去の傾向から言うと、携帯電話会社は四半期ごとに既存契約者の1%を失いますが、それ以上に新規の契約者数が増えるのが通常です。

 

 クライアントも、失った顧客以上の新規顧客を獲得したのでしょうか?

 

ーはい。この四半期における新規契約者数は1,000,000人でした。

 

 

クライアントは、なぜ750,000人もの既存契約者を失ったのでしょうか?

 

 

ーあなた自身はどう思いますか?

 

 

 いくつかの理由が考えられます。例えば、他の携帯電話会社がクライアントとより受信状態が良い通信網を構築した、効果的な宣伝広告を行った、値下げを行った、デザインの良い機種を販売した、より良いカスタマーサービスを開始したなどが挙げられます。

 

 

ーそれらは全て正しいのですが、クライアントが既存顧客を失っている大きな要因ではありません。他には何が考えられますか?

 

 

 クライアントの通信衛星に問題が生じて、一定期間サービスが利用できなかったと言う事はありましたか?

 

 

ーいいえ、ありません。

 

 

(回答者がなかなか他の理由を挙げられないので、面接官がヒントを出す)

ークライアント自身が意図的に既存の契約者数を減らしたのだとすれば、どうですか?

 

 

 おっしゃっている意味がよくわからないのですが。

 

 

ークライアントにとって大きな悩みの種となるのは、代金の未払いです。遅延代金の支払催促と回収には多大な時間、労力、コストを要しますが、これらのコストはどんどん上昇しています。一方で、我々は新規顧客を獲得するためにも、非常に多くの時間を費やしますが、顧客の信用状態を事前に十分吟味しているとは言えません。ここで、あなたに見てもらいたいグラフがあります(下記グラフを参照)。このグラフから、どんなことがわかりますか?

 

 このグラフからは、クレジットスコアが500点から600点の顧客に問題があると言うことがわかります。これらの人々は、クライアントにとって価値がある顧客かどうか疑わしいところです。具体的に、これらの顧客が何人ぐらい存在するかを確かめたいと思います。クライアントの顧客数は全体で30,000,000人です。このグラフによると、クレジットスコアが500から549点の人は全体の1%であり、彼らの50%が料金を滞納しています。ここで質問ですが、料金を滞納している顧客が50%と言う事は、どの月をとっても、全体の半数が料金滞納を起こしていると言うことを意味しているのでしょうか?

 

ー必ずしもそうとは限りません。例えば、ある時点だけを見れば、このグループに属する人全員が料金を滞納していたり、ある人は他の人よりも滞納期間が長いと言うこともあり得ます。

 

 もしクライアントが、このグループに属する顧客との契約を全て解消したとすると、その数は300,000人になります。クレジットスコアが550から599点のグループも状況はあまり変わらず、40%の人が料金を滞納しています。しかし、このグループは契約者数が大きくなり、クライアントの顧客の9%に相当する2,700,000人が存在します。もしクライアントがこのグループも顧客リストから外すとすれば、先程のグループと合わせて3,000,000人の顧客が減ることとなり、全顧客数は27,000,000人になります。これは、業界No.2のB社より6,000,000人も少ない数字となります。

 

 

ーそれで?

 

 

 滞納顧客から料金を回収するコストは、一人当たりいくらかかりますか?

 

 

ー約5000円です。

 

 

 顧客の平均的な利用金額はいくらでしょうか?

 

 

ー全体では月に4000円ですが、これらのグループだけ見ると、7500円です。

 

 

 クライアントは7500円を回収するために5000円のコストを余分にかけていると言う事ですね。クライアント利益率を回収コストをカバーできるほど高いのでしょうか?

 

 

ーいいえ。クライアントの利益率は25%です。

 

 

 料金の滞納起こしている顧客には、延滞料金を貸していますか?

 

 

ーいいえ。

 

 料金を全く支払わずに、踏み倒す人は全体の何%いるのでしょうか?

 

ー良い質問ですが、残念ながらその数字は持ち合わせていません。ここで、あなたに計算して欲しいことがあります。クライアントはこれら3,000,000人の顧客との契約を全て解消したとすると、いくらのコスト削減につながるでしょうか?

 

 このグループに属する人は全体で3,000,000人いて、平均的な料金料金が7500円なので、料金の合計額は225億円です。このうち、クライアント利益率は25%なので、その額は56.25億円です。次に、料金の回収コストを考えます。これら2つのグループで料金滞納起こしている人の割合は、それぞれ50%と40%なので、全体の平均は45%と仮定します。3,000,000人の45%は1,350,000人であり、これらの人々から延滞料金を回収するために一人当たり5000円かけるので、コストの合計額は67.5億円になります。したがって、クライアントはこれらの顧客にサービスを提供することによって11.25億円の赤字(56.25 − 67.5)となっており、契約を解消することで、この金額11.25億円分のコスト削減につながります。

 

 

ーでは、あなたはクライアントにどのようなアドバイスを与えますか?

 

 

 クライアントには、いくつかやるべきことがあります。まず、料金の滞納を起こすリスクが高い契約者はどんどん減らしていき、新規の契約時には顧客の支払い能力を厳格に調べます。例えば、新規の契約者はクレジットスコアが600点以上の人に限定すると言うのも1案です。また料金の滞納に対しては別途延滞料金を請求することとし、延滞料金の回収作業を毎月ではなく2ヶ月に一回とします。これによって、同じ5000円のコストをかけて回収する料金は7500円が15,000円増加し、作業効率が上がります。

 

ー分りました。ありがとうございます。

 

 

以上、回答例となります。

今回は、ケースのタイプ的には、コスト削減シナリオでした。

 

それでは。

 

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引用・編集:『戦略コンサルティングファームの面接試験 難関突破のための傾向と対策』

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