【フェルミ推定対策】例題2:日本に自動車は何台あるか?

【結論】日本に自動車は何台あるか?についての回答例がわかる

【前提確認】

 自動車には家庭用(世帯所有)と業務用(法人所有)がありますが、ここでは家庭用の自動車に限定して考えていきます。

 

【アプローチ設定】

 日本における自動車の数は、

  世帯数×平均所持率× 1世帯当たりの平均所有台数

 で求めることができます。

 

【モデル化】

 次に、全世帯をセグメントに分ける軸を考えましょう。

 まず、バスや電車からの公共交通機関の整備度合によって車の必要性は変わってきますから、都会・田舎と言う軸が重要だと思われます。さらに車は高価ですから、所有率、所有台数は世帯年収にも比例すると考えられます。

 ここでは、世帯年収と世帯主の年齢との間に相関があると考え、都会と田舎ごとにそれぞれの年代の所有率、所有台数を次の表のように仮定しました。

 

 都会と田舎の人口比は1:1と仮定します(実際に都会を東京、神奈川、埼玉、千葉、名古屋、大阪、京都、福岡として人口出すと、ほぼ人口の半分になります)。

 世帯人数は田舎の方が多いと考え、都会の平均世帯人数を2.5人、田舎の平均世帯人数は3.5人と仮定して都会・田舎の世帯数を求めると、

 

 都会:60,000,000人÷ 2.5人/世帯= 24,000,000世帯

 田舎:60,000,000人÷ 3.5人/世帯≒17,000,000世帯

となります。

次に、世帯主の年齢別の世帯割合を考えましょう。都会の方が若年世帯数が多いと仮定して、年齢別の世帯割合を以下のように仮定します。

【計算実行】

 例えば、都会の20代世帯の所有台数は、

  都会の世帯数× 20代世帯の割合×平均所有率×平均所有台数

  = 24,000,000世帯× 20% × 10% × 1台


 で計算できます。2つの表を用いてすべての世代について計算し、それを立ち会わせれば自家用車数が計算できますので、


・都会:24,000,000世帯× 20% × 10% × 1台

 + 24,000,000世帯× 20% × 30% × 1台

 + 24,000,000世帯× 25% × 50% × 1.2台

 + 24,000,000世帯× 25% × 70% × 1.2台

 + 24,000,000世帯× 10% × 50% × 1.2台

 = 12,000,000台


・田舎:17,000,000世帯× 15% × 60% × 1台

 + 17,000,000世帯× 15% × 70% × 1台

 + 17,000,000世帯× 20% × 80% × 1.2台

 + 17,000,000世帯× 25% × 90% × 1.2台

 + 17,000,000世帯× 25% × 80% × 1.2台

 ≒15,000,000台


よって、自家用車数は、

 都会12,000,000台+田舎15,000,000台= 27,000,000台

となります。


【現実性検証】

 自動車検査登録情報協会(財)によれば、平成20年9月での登録自家用車台数は57,820,000台でした。実際の数字よりもかなり少ない推定値になってしまったのは、都会での所有率を低く見積もりすぎたことが原因かもしれません。


以上、回答例となります。

それでは。

 

 

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引用・編集:『現役東大生が書いた 地頭を鍛えるフェルミ推定ノート』

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以上、回答例となります。

それでは。

 

 

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引用・編集:『現役東大生が書いた 地頭を鍛えるフェルミ推定ノート』

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